なぜなぜひたちなかミステリー!虎塚古墳はみんなの宝✨東日本を代表する装飾古墳を守り抜け! 

こんにちは!イチオシ☆ひたちなか編集部の矢川です!

ひたちなか市にある国指定史跡 “虎塚古墳” 。
東日本を代表する彩色壁画古墳と言われ、春と秋に古墳内部の一般公開をしており、先日見学をしてきました!
1400年前の石室埋葬施設。その風格は言葉にはできない程素晴らしく、感慨深いものを感じました。

 

そして今年、2023年は、虎塚古墳発見から50周年の記念すべき年なんですよ!

でも、どうして1400年前の古墳が、こんなにも綺麗な状態で見学できるのだろう…?

今回は、虎塚古墳見学で生まれた5つの『なぜ?』を、虎塚古墳に関わる3人の方にお聞きしました!

 

そもそも虎塚古墳とは?
7世紀前半(1400年前)に造られた、身分の高い人のお墓で、
全長56.5m、後円部は直径32.5m、高さ5.5m、
前方部は幅38.5m、高さは5.2mを測る、前方後円墳です。

1973年の発掘調査で、後円部南側に凝灰岩(ぎょうかいがん)製の横穴石室が発見され、
石室内には東日本でも珍しい保存状態が良好な色彩壁画が見られました。
石室内部からは、成人男子一体の遺骸と、全長38㎝ほどの黒漆塗大刀、刀子(小刀)、鉄鏃(てつぞく、鉄の矢じり)
などが見つかりました。

一般公開が春と秋なのはなぜ?

見学に同行して下さった鴨志田篤二先生にお話を伺いました。

   鴨志田 篤二 先生
   1948年9月23日生まれ 
   国立茨城工業高等専門学校機械工学科卒業
 虎塚古墳の発掘調査に携わり、
 ひたちなか市埋蔵文化財調査センターの所長を務めた人物

 著書:『日本の遺跡 虎塚古墳』『勝田市史 原始古代編』
 ほか調査報告書など多数
   趣味:ウォーキング、カメラ
   好きな食べ物:お酒ともつ煮だけど、ドクターストップ中です😢

 

矢川「虎塚古墳の一般公開が春と秋なのはなぜですか?」
鴨志田さん『石室内と外気温が同じになる時期だからです。』
矢川「気温の関係なんですね。同じ気温だとなぜ良いのでしょうか?」
鴨志田さん『石室内は温度変化の影響を受けやすく、想像以上に繊細なので、
気温が同じ時期だと古墳にかかる負担が少ないからです。』
矢川「古墳を守るためなんですね!」

虎塚古墳発見時、石室内の状態が良好だったのはなぜ?

矢川「虎塚古墳が、こんなにも良好な保存状態で見つかったのはなぜですか?」
鴨志田さん『古墳内は一年を通して一定の温度に保たれています。地下室をイメージしてもらうと
わかりやすいです。地下室はひんやりしてるでしょ。』
矢川「土がかぶせてあるから地下室の状態に近いのでしょうか?」
鴨志田さん『はい、そうです。気温の変化が少ないのと、空気に触れてなかった事ですね。』
矢川「温度が一定、かつ密封状態だった事が良かったんですね。」


<虎塚古墳の説明を沢山の方に出来る事が嬉しいと鴨志田先生。>

虎塚古墳という名称が付けられたのはなぜ?

ひたちなか市埋蔵文化財調査センター(=埋文センター)の田中美零さんにお話を伺いました。

  田中 美零 さん
  1996年5月21日生まれ 
  埋文センター歴5年   
  ひたちなか市出身で小学生の頃、埋文センターで勾玉作りを体験。
  大学で考古学を学び、文化財に携わる仕事を希望し埋文センターに
  入社。
 
  趣味:水族館巡り
  好きな食べ物:食べる事自体が好きだけど、強いて言うならプリン🍮
 
矢川「虎塚古墳という名前になったのはなぜですか?」
田中さん『十五朗穴に隠れ住んでいた十郎と五郎のもとに虎御前というお姫様が訪ねてきて、
後に虎御前のお墓になったという昔話があります。』
矢川「十五朗穴と関係があるんですね^^そんな昔話があったなんて面白いですね!」

今でも石室内の状態が良好に保たれているのはなぜ?

矢川「今でも石室内の状態が良好に保たれているのはなぜですか?」
田中さん『埋文センターでは、24時間365日、石室内の温度・湿度管理をしています。』
矢川「石室内の温度と湿度はどの位ですか?」
田中さん『温度は15℃前後、湿度は99%で安定し、保たれています。』
矢川「湿度がとても高いんですね!」
田中さん『そうですね。春と秋の石室公開の前後に行われる点検も、石室と壁画を保存する上で重要な作業です。』 
田中さん『ちなみに古墳周辺は、地元の中根ときわ会の方達が月に1度、清掃して下さっています。』
矢川「ありがたいですね。」

虎塚古墳のイラストを描いているのはなぜ?

遺跡のイラストレーター、さかいひろこさんにお話を伺いました。

  さかい ひろこ さん
   1965年生まれ 
   イラストレーター歴 30年位
  
   趣味:遺跡巡り
   好きな食べ物:りんご🍎
 

矢川「虎塚古墳のイラストを描いているのはなぜですか?」
さかいさん『虎塚古墳が大好きなんです!』
矢川「虎塚古墳の魅力を教えて下さい^^」
さかいさん『デザインが素敵!白地に赤で心をくすぐります!わかりやすい絵でインパクトがあって
かっこいい!』
矢川「さかいさんの大好きがとても伝わります^^」
さかいさん『こふんどーという漫画を連載しているのでぜひご覧下さい!』


<虎塚古墳の歴史がわかりやすくておもしろい!>

十五朗穴も見てきたよ!

虎塚古墳から南側へ下りていくと十五朗穴という横穴墓群があります。

十五朗穴は7世紀初めの古墳時代末(約1400年前)に造られ、
平安時代初め頃まで使われた、身分が高い人のお墓です。
江戸時代からその存在が知られており、凝灰岩の崖をくり抜いて造られています。
横穴の総数は推定300~400基。
横穴墓からは人骨のほか、須恵器、直刀、勾玉、切小玉など多数の副葬品が出土しており、
大和政権と繋がりがある人物も埋葬されていたと推定されています。

十五朗穴という名前は、あだ討ちで有名な曽我兄弟の十郎・五郎がここに隠れ住んでいたという
伝説が基になったそうです。


<この穴がお墓だったとは、神秘的ですね>

大切な壁画を未来へ。

ひたちなか市にある国指定史跡、虎塚古墳。
1000年以上遥か昔の埋葬施設がこんなにも状態が良く残っているのは、
発見時の状態が良好だった事はもちろん、発見当時から今日まで、
古墳の保存に関わっている専門家の方々、これまで古墳を守ってきた地域の方を始め、
古墳ファンの皆さんや、沢山の方のおかげなんですね。
虎塚古墳を見学できる事は、決して当たり前ではないと思いました。

今回の見学で虎塚古墳を身近に感じる事ができ、
古墳の不思議さと謎を知る面白さが楽しかったです。
そして、虎塚古墳の大切さと、古墳に携わる皆さんの思いを知ることができました。

また、今回お話を伺った鴨志田先生、田中さん、さかいさんからの
溢れ出る古墳愛に触れる事ができとても嬉しく思います。
個人的な感想ですが、古墳好きの方は皆さん人柄が良く温かさを感じました^^
ありがとうございました。

これから先、何百年、何千年と遠い未来へ虎塚古墳を残していき、
ぜひ沢山の方達に虎塚古墳を見て頂きたいです^^

虎塚古墳史跡公園 
住所 茨城県ひたちなか市中根3494-1 
電話 029-273-3663

十五朗穴横穴墓群
住所 茨城県ひたちなか市中根
電話 029-273-0111

ひたちなか市埋蔵文化財調査センター
住所 茨城県ひたちなか市中根3499
営業時間 火~日 9:00~17:00 
電話 029-276-8311
定休日 月曜日
駐車場 あり(無料)

 

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