はるか海老ってなんだ?精密機械部品企業でエビ養殖の不思議に迫る🦐株式会社エムテック!

こんにちは!イチオシ☆ひたちなか編集部の矢川です!

タイトルを見てどう思いました?
はるか海老?初めて聞く名前だし、なぜ精密機械部品企業でエビ養殖?
海沿いならともかく、ひたちなか市では内陸部の津田で?
なんだか不思議で面白い😊

今回は、はるか海老の養殖をしている株式会社エムテックさんにお邪魔しました!

エムテックってどんな会社?

こちらがエムテックさん!

そして、本日お世話になるエムテックの松木徹(まつきとおる)さんです!


<エムテック3代目社長。はるか海老の仕掛け人>

矢川「今日はよろしくお願いします!」
松木さん『何でも聞いて下さい^^』

矢川「まず、エムテックはどのような会社なのか教えて頂けますか?」
松木さん『エムテックは製造業の会社です。私のお爺さんが1949年に日立市の桜川で創業し、
当時は日立製作所さんの下請けで、そのひとつの事業部門の那珂工場(日立ハイテク)が出来まして、
那珂工場が出来た時に我々もひたちなか市に移り、50年程経ちました。
近年まで自動車関係がメインで、自動車部品の量産加工をNC旋盤という機械を使って
大量生産って形でやっていましたが、ここ20年位前から海外移管の話があり、
日本ではあまり自動車部品を作らない方向になっていったので、製造業の弊社としては、
医療機器に参入しようって事で海外で営業展開を図り、11年前にドイツに営業所を作ってそこから医療器に発展して。今はほぼほぼ医療器の仕事になってきている状況で、
実は来年、2026年にエムテックは医療機器メーカーになります!』

矢川「医療機器メーカーになるってすごいですね!」
松木さん『下請けではなく自分達でメーカーになっちゃおうと^^
高付加価値で他に出来ない事をやろうとここ10年やってきました。』

 

はるか海老、見せて下さい!

矢川「はるか海老はどこにいますか?」
松木さん『こちらのプラントの中です!』


<海老養殖のプラント>

松木さん『どうぞ中へ入って下さい^^』

矢川「広いですね!ここには何匹位の海老がいますか?」
松木さん『一万匹です!』
矢川「そんなに!すごいですね!」
松木さん『まだ水槽を増やせるので、夏になればもっと増えます!どうぞ海老も見ていって下さい^^』


<エビさん、どこにいますか~?>


<いた!>

矢川「いたいた!可愛い!泳いでる!魚みたい!」
松木さん『いや海老です笑』

松木さん『この水槽は、稚エビを入れてから2カ月半経ちました。餌を食べるやつと食べない
やつがいるので体格差が出ちゃいますね。もう少ししたら大きくなったやつを選別して、
隣の水槽に移します。一般的に生存率は8割と言われています。はるか海老は元々
バナメイエビ、和名でシロアシエビという種類なんですね。
シロアシエビは病気に強くて成長がはやい。』


<生存率8割。強くて丈夫な海老さんなんですね!>

矢川「なぜエビ養殖を始めようと思ったんですか?」
松木さん『コロナ禍の時に自動車部品の需要が世界的に落ちまして。
何か新しい事業を始めるのに、好きな事を仕事にしたいなと思って。
私の趣味が錦鯉の飼育で、20年位前から自宅で錦鯉を飼っていまして。
錦鯉を見ながらやっぱこれを仕事にしたいと。好きなものじゃないとね、投資出来ないし、
本気になれないので。その当時錦鯉の輸出ブームで、国魚として錦鯉をどんどん輸出していこうと、
そんな話もあったりして。うちはドイツに営業所もあるし、錦鯉ってドイツやオランダで
すごい人気なんですよ。とにかく高く売れる、これやるしかねえだろうと。
色々調べたら結局生き物なので水ごと輸出しないといけないから、農林水産省の認可が必要だと。
でもその認可を取るのが非常に大変ということで錦鯉はやめて。
生物飼育の水を作るノウハウはあったので、水作りで何かできないかなと調べていたら、
今、陸上養殖がブームだという事を知り、気候変動などで海で捕れるものがとれなくなっちゃったりとか、
そもそも日本は食力自給率が38%位でものすごく低い。なら食べるものでなにか始めたい。
一番何がやりやすいのかな。サーモンとかフグとか、色々ありましたけど、エビが比較的やりやすそうだなと。』

矢川「松木さんのご趣味の延長だったんですね!」
松木さん『もうね、楽しいんですよ、好きだから😊土日もここに来てるし、何ならここで仮眠するし^^
生き物だから何があるかわからないっていうのもあるんですけど、可愛い子供たちの様子を見ながら
過ごす時間が癒しですし、飽きない。』


<“はるか海老は可愛い子供たち”と松木さん>

矢川「そんな可愛い子供たちですが、食べられるようになるまでどの位かかりますか?」
松木さん『稚エビを仕入れてきて、飼育が始まってから3~5カ月で出荷サイズになるとは
いわれています。冬は気温や水温が下がり、運動量が落ちてあまり餌を食べないので、
6~7カ月位かかるかな。』

矢川「はるか海老の名前の由来はなんですか?」
松木さん『紅はるかというサツマイモの名前が由来です。餌にね、干し芋の残渣を加工した物を使っているんですよ。』
矢川「干し芋を作る時に出る、皮などの廃棄問題があるんですよね。」
松木さん『そうなんですよ。海老の陸上養殖をやろうってなって2023年の9月に試験棟を建てて。
海老は水質が難しいって言われてたけど、水をろ過する仕組みのノウハウがわかっていたので、
非常にうまくいっちゃって。そうしている間に餌を工夫してブランド化しようってなって。
丁度干し芋作る時に出る残渣問題をどうにか出来ないかなと。残渣を加工したものを市内の
干し芋農家さんと提携して餌にして、海老にあげて。育ったえびを調べてみたら非常に甘みが強くて。
なので、はるか海老という名前にしました。』


<干し芋の残渣を加工したはるか海老の餌。地球にも、海老にもGOOD👍>

🦐松木さんとはるか海老の歩み🦐
2023年9月 海老養殖の試験棟設立 水質が難しいといわれていたが、非常にうまくいく
2024年10月 養殖プラント完成 養殖開始
2025年5月 はるか海老出荷予定 まずは地産地消で地元の市場や飲食店へ 

 

矢川「難しいと言われていた水作りはどうしてるんですか?」
松木さん『濾過槽で水をろ過しています。月に1回掃除をちょっとやるだけで
そんなに大変ではないです。この濾過槽はGLIT(グリット)というブランドで、私が作りました。』

矢川「ご自身で濾過槽まで作っちゃうなんてすごいですね!ということはグリットは
松木さんが関係しているブランドですか?」
松木さん『そうですね。グリットは茨城発の企業連携体、共同受注体ですね。
製造業専門の企業が集まりチームを作り、今は14社が連携していて、
展示会や交流会などにも出展したりしてますよ!』


<松木さんが代表を務めるGLITの濾過槽。14社が集まれば何でもできちゃう!>

矢川「まだ立ち上げたばかりだとは思いますが、これからどうしたいとか、やりたい事はありますか?」
松木さん『今は稚エビを仕入れていますが、将来的にはここで孵化できないかなと。
なので今試験棟で孵化の試験をしているんですよ。シロアシエビは海水でしか孵化したことがないと
言われていて。頑張ってうまくいきたいな。あとは今まで自分一人でここまでやってきたので、
養殖をマニュアル化していきたいなと。』


<頑張ってうまくいきたいな🦐>

 

貴重なはるか海老を…

松木さん『食べてみます?』
矢川「え?!まだ発売前なのにいいんですか?!」
松木さん『いいですよ^^記事書くなら食べた感想あった方がいいでしょ^^どれがいいですか?』
矢川「大きいやつがいいです!笑」(強欲!)
松木さん『大きいのはこっちにいますよ^^』

矢川「うわ!本当に大きい!透明でキレイですね^^」
松木さん『脱皮したばかりだとこの色ですね。脱皮する直前はもっと黒い色をしていますね。
シロアシエビっていうだけあって、アシは白です。』
矢川「脱皮はどの位の頻度なんですか?」
松木さん『2週間に1回ですかね。』


<松木さんが氷締めにして下さいました!透明で本当にキレイ✨>

矢川「本当に立派なはるか海老ですね^^大きさはどの位ありますか?」
松木さん『メジャー持ってきますね!』


<堂々の20㎝!大きくてツヤツヤ🤤>

矢川「稚エビは何センチでしたか?」
松木さん『1センチ。』
矢川「1センチから20センチになるまでどの位かかりました?」
松木さん『9カ月ですね。』
矢川「立派に育ってくれましたね^^」
松木さん『立派に育ったなぁ~』


<“どんな食べ方でも美味しいけど、塩焼きが一番おいしいかな” と塩焼きにして下さいました!>

松木さん『どうぞ、召し上がって下さい!』
矢川「頂きます!」

松木さん『どうですか?』
矢川「美味しいです!弾力があってプリっと身がしっかりしてて、海老の旨みと甘みが
ギュッと詰まってますね!殻がやわらかいから殻ごと食べても全然気にならないし、
臭みも全くないですね!」
松木さん『ついさっきまで生きてましたからね^^嬉しい感想、ありがとうございます!』
矢川「こちらこそ貴重な試食をさせて頂き嬉しいです!ありがとうございます!」

矢川「最後に聞いて良いのかわかりませんが、鯉か海老かって言ったらどちらですか?」
松木さん『いや~、最近海老かな~』
矢川「よかった!海老が鯉を越えたんですね!」
松木さん『以前は “あれ?鯉やるはずじゃなかったっけ?” って思う事もあったんですけど、
最近は海老ですね~!本末転倒ですけど笑』


<“好きな事じゃないと続けられない”と、はるか海老の話をする松木さんはとても楽しそう😊>

 

ひたちなか初のブランド海老、はるか海老🦐

2025年5月から発売予定のはるか海老。
発売前から各メディアも大注目のはるか海老は、地産地消をモットーに、
まずは地元の市場や飲食店などに卸す予定なんだそう😊

松木さんは会話中に何度も “好きだから楽しい”と仰り、
仕事を楽しむ姿と、穏やかな笑顔がとても印象的でした。

松木さんの愛情をたっぷり受けて育ったはるか海老の登場に期待が高まりますね!
これから街中ではるか海老を目にする機会や、食卓に並ぶ光景など
私達の身近な存在になるのが楽しみです!

 

 

株式会社 エムテック

ひたちなか市津田東2-1-3

029-272-4310

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